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けいおん!シリーズの感想

映画けいおん!,数回観て,熱気が冷めぬ内に書いておきたいと思いましたので.




「宇多丸のシネマハスラー」の映画けいおん!評で宇多丸が指摘したことに,

「映画けいおん!には映画としての覚悟がない」

という言葉がありました.
つまり,
映画としての覚悟―シリーズを完全に終了させる(続編制作不可能な終了)エピローグ.
それが具体的に何なのかは触れられていませんでしたが,
確かに映画けいおん!は守りに入った映画だという指摘には同意できます.

唯達4人が進路について悩み,悩みながら,それぞれ自分の道を歩き出すという,普通の高校生が踏むステップを踏む…
と思いきや,進学先は4人全員同じ大学だった,理由は「一緒にいたいから」
そういう点では,「モラトリアムにも程があるだろ!」と違和感を覚えたので.
現実にあるんですかね?部活でとても仲が良くなった為に同じ大学に進学してしまう例は.
親御さんからするととんでもない話ですよね.

というか,守りに入った一番の原因は
「ムーブメントを引き起こした商材をみすみす終わらせる訳にはいかない」
という製作サイドの論理でしょう.

どういうことか.

けいおんのシリーズ構成は再々拡張の結果なのです.
もともと,京都アニメーションは「となりの801ちゃん」というアニメの制作発表をしていたのですが,
これが諸般の事情でキャンセルになり,1クールの埋め合わせとして2009年春にけいおん!が放送されたのが
すべての始まりです.

第1期は唯達が高校に入学して,2年生の終わりまでを描きました.
第1期放送終了時,けいおん公式HP掲示板などで続編希望の反響が大きくて,
元々予定されていなかった続編が急遽政策決定.しかも,2クールで,良く2010年春から,深夜アニメとしては慰霊の全国放送で.

ということで,第2期は唯達が3年生に進級してから卒業するまでを描くことになりました.
大雑把に言ってしまえば,卒業する唯と軽音部に残される梓の物語が展開された訳です.

けいおん!という作品は基本的に時間の流れが戻ったり急に飛んだりしない作品で,
原作においては,唯達が高校を卒業した時点で終了しています(その後唯達の大学編と梓達の高校編で再開してますが).
だから,アニメの第2期が唯達の卒業で完全に終了して,それ以上話の時間軸を進めるのはできなかった訳です.

しかし,第2期が終わってもまた続編希望で,版権元のTBSも絶好の商材を易々と終わらせる訳にはいかなかった.
そこで映画制作決定という流れになるのですが,
結局映画のストーリーも原作の都合で高校卒業の壁を犯すことはできず,エピローグは第24話を補完するような形で終わりました.

以上が一番の理由だと思います.

二番目の理由は,
制作サイド,というか山田尚子監督には,原作のストーリーを逸脱する(例えば,卒業後を描く)ことは決してしないという判断が根底にあったと思います.
その上で,彼女は「けいおん!のすべてを好きになってしまった」ことが守りに入った理由だと思います.

最近読んだ山田監督のインタビュー記事の引用.

http://www.cinematoday.jp/page/N0037442

「わたし、めちゃくちゃ『けいおん!』好きなんですよ。もう、全部が」
(中略)
「わたし、本当にこの3年間は『けいおん!』漬けなんですよ。もちろん、ほかの仕事はあったんですけど、自分の中で途切れることはなくて。でも、今回の映画でひと区切りつくと思うと……あ、こんな寂しいことは言うの、やめておきますね」
(中略)
「でも、これからもずっと『けいおん!』のことを考え続けそうな気がします。『けいおん!』がなくなったら、わたし、しゃべることがなくなるかもしれない……」


山田監督のけいおんへの愛情には頭が下がるばかりです,正直.
初めての監督作品でシリーズ化で映画化という作品なので,けいおんや唯達への愛着は他の何人も,原作者のかきふらいですらも太刀打ち出来ないのではないかと思います.

私は,山田監督は放課後ティータイムの5人の日常を愛しすぎてしまって,もはやそれを壊すことは出来なくなってしまったのではないかと思いました.

だから,第2期でも,映画でも,着地点は同一.
「天使にふれたよ!」にある通り,放課後ティータイムは永遠に一緒だよという歌詞をもって,
残される梓を優しく包み込む演出がとられたのだと思います.
さらに,映画のエンディングとSinging!の通常版イラストで描かれている唯達5人の手が結ばれ,さらに純白のリボンで結ばれているという演出.
これは「彼女たちの日常が瓦解することを彼女たち自身が望んでいない」という,絶対の絆を確認しあっている画だと思うのです.
“卒業という時間がやってきてしまったが,別離する位なら彼女たちの日常を永遠に封じ込めてしまおう”
という意図を感じます.
いや,けいおん!という少女5人の物語の結末として,一番美しい,望まれた形だと思います.
台湾で,今も生前の美しい姿のままで安置されているというテレサ・テンの様に,永遠を手に入れたのだと.

別の言い方をすれば,このエピローグは,ファンと他でもない山田監督自身への慰めだと思うのです.


私は,けいおんは唯・澪・律・ムギ・梓を中心とした青春物語であり,成長物語であると思います
3年間という時間の中で,考えなければならないタイミングで考え,考えたけど分からない.でも
進んでみようとは思う.現実の高校生も同様に考えているような,そんなリアリティが大きな魅力なんだと思います.
だって,決断なんてしようと思ってもなかなか出来ないものですから.

唯達4人は卒業なんて通過点に過ぎないと前向きに進み続ける.
梓は寂しいと思いつつも,卒業を受け入れている.親友の憂と順がそんな梓に優しく寄り添ってやる.
そんな,部活で先輩を送り出したことのある経験をもつ人なら,誰でも気持ちが分かる.
そういうところにけいおんの物語としての温かさ,面白さがあると思います.

最後に.
山田監督はこうも述べています.


http://www.cinematoday.jp/page/N0037442

ファンは同志っていう感じです。ヒットしているかどうかは、よくわからないですね。
『けいおん!』の話をできる人がいっぱいいるって感じで。
インタビューなどではよく『わたしたちと唯たち』っていう言い方をするんですけど、
『わたしたち』っていうのはファンの人たちをひっくるめての『わたしたち』なんです。
だから、自分のことは制作者というよりもファンだと思っていて、そういう意味では、第三者的な気分かもしれないですね」


このコメントは一ファンとして心から嬉しくて.
山田監督のけいおんへの愛がどうしようもなく溢れてて.
その愛を感じた声優も音楽制作サイドも愛を注がない訳がなくて.
制作者の愛を受けて出来上がったアニメを観た我々ファンが愛を感じない訳がなくて.
そして我々が愛を感じ,愛をけいおんに注ぎ続けて.
けいおん!のムーブメントの原動力はこの「愛」なんだと再確認するに至る訳です.

山田監督にファンの視点があるからこそでしょうね,放課後ティータイムを一人でも引き離したくはなかったのだと思います.

放課後ティータイムは永遠に.
でも,
けいおん!はいつだって進行形!
コレも信じている.そう,山田尚子監督による,新しい「けいおん!」を!
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テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:アンチモン
6年目高専教員です。博士(工学)。
高専教員になりたい人は、コメントいただければ必ずレスいたします。



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とりあえず一服して、ちょっとずつでも前へ進んでいこう。





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(2011/05/29 newly established)


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